2019/04/23
神大附属中等「グローカル入試」って何?
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。今春の神戸大学附属中等教育学校(以下KU)の一般適性検査は、初めて外部会場(神戸常盤アリーナ)で実施されました。近くの小学校はじめ近隣への迷惑を最小限にするため、入試会場への入場時間や保護者の待合場所等かなり制約がかけられていました。他校の受験会場では必ず見られる塾の応援風景もありません。このように考えられる限りの対策をした結果、大きな混乱もなく検査差が無事終了したようです。まあ、幕張メッセで数千人規模の入試を毎年行っている千葉の学校もあるので、千人規模ならできないこともないのでしょうが。
あと、常盤アリーナならではの「困ったこと」もあったようです。常盤アリーナは「アスリートの聖地」でもあり、会場では飲食が許可されず、全員がいわゆる応援席に移動して昼食を取ることになったそうです。混乱が懸念されましたが、塾で「早飯」に慣れている子が多かったのか、さっさとお弁当を平らげて会場に戻ってきてくれたので、遅滞なくその後のスケジュールが進んだとのこと。女子トイレの混雑がやや目立ったくらいで済んだそうです。
さて、来年2020年度の適性検査では、「一般適性検査」に先立ち、12月に「グローカル(グローバル+ローカル)適性検査」を行うことが発表されました。「国際枠」と「国内枠」でグローバルとローカルという意味らしい。「国際枠」は従来あった「帰国適性検査」を変えたもの。今春の「帰国適性検査」では3名の合格者がいたものの全員が入学辞退。「帰国生」とは言っても十分に受験対策を積んできたものと考えられ、本来の趣旨から外れてきているものと学校側が判断。そのため「帰国直後又は1年以内」という制限が新たに付け加えられました。「国内枠」は2つあり、1つは学校から約90分圏内にいる「兵庫県外」居住の生徒、もう1つは学校から約2km以内の徒歩圏内にいる「地元」居住の生徒を対象にしたものです。「多様な入学者選考をすべし」とする文科省の姿勢に沿ったものと考えられます。
「国際枠」の検査内容は、筆記2領域(言語表現、数理探求)、作文、面接、「学びの報告書」で、「国内枠」は筆記4領域(言語表現、数理探求、自然環境、市民社会)、作文、面接、「学びの報告書」となります。面接はかつて一般適性検査で行われたものを踏襲しグループ面接形式となる予定。「学びの報告書」とは「調査書」の代わりに学校内外での取組を志願者自身が申告するものとされています。詳細は決まり次第発表されるとのこと。「グローカル適性検査」全体で5名程度の募集となる模様です。なお、「グローカル適性検査」に出願した者は「一般適性検査」には出願できないことになっているので、その点よく考慮の上で出願するかしないかを判断する必要があります。
KUが求めるのは「課題研究」をこなせる生徒。廊下に何気なくあったパネルにはKU生の課題研究が掲示されており、先生に尋ねたところ、全国コンクールで内閣総理大臣賞を取ったものなのだそう。こういうことが好きな生徒にはとてもいい環境だと思いますが、適性検査を突破するのは至難の業…受検するにしてもよくよくお考えの上で。では、また。
2019/04/18
本気で治す気がないなら治らんよ
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。同じ塾関係の知人が体調を崩して入院したとの知らせを受けて、空き時間を縫ってお見舞いに行きました。命に関わるというものではなくて何よりでしたが、あれだけ忙しかったのが打って変わって何もすることがない入院生活になり、よほど手持無沙汰だったのでしょう。会話というより一方的な速射砲的おしゃべりを延々聞かされる羽目になりました。その中で、入院患者を見ていると塾の子どもたちも同じところがあるという話に。
入院して手術等の処置が一段落し、今後はリハビリで少しずつ回復していこうという患者さん。大きく2通りに分かれるのだとか。一方は、言われたことを忠実に守り、リハビリ後もすぐ横にならず座りながらでも体を動かしている人。傍から見ていても、体の動きが日に日に良くなっているのが分かるのだそう。そういう人は病院食もしっかり食べるので回復が早く入院日数も短いように思うと知人が言ってました。
対してもう一方は、とにかくワガママな患者。リハビリはしんどいからやりたくないとダダをこね、周りがなだめて何とかリハビリに連れて行ってもすぐに帰ってきてベッドに横になる。「病院食は味が薄くて不味い」とほとんど残すもんだから腹が減り、禁止されているのに家族に頼んで好物を差し入れしてもらって好きなだけ食べる。その不摂生が検査結果にもろに出て医師に注意されるが聞く耳持たず。当然回復も遅れて入院も長引く。すると今度は「金を巻き上げるために退院させないんだろう。」だの「なぜとっとと治せないんだ?このヤブ医者!」だの悪口雑言の限り。最後はこわーい院長が出てきて家族の前で説教を食らい「本気で治そうという気が患者本人になければ、どれだけ病院にいたところで治るもんも治らんよ。ウチの方針が気に食わないのなら転院してくださっても結構ですよ。」
知人曰く「その院長はまだ厳しくてはっきりモノを言う方だが、これが利益至上主義だったら甘やかされながらずっと入院させられるんだろうな。ある意味『生かさず殺さず』で。これって大手塾が今までやってきたことと同じじゃないか。ワガママで宿題もしないヤツでも退塾させられないもんだから、表面上教育的指導をするだけでスルー。後で親に『一応言っときましたよ』と示すための逃げ道を作っとくのさ。受験直前になって、どうにもならなくなった親御が文句を言いに行っても『あの時に言うことを聞いてくれていたらねぇ』なんて突き放されるのがオチさ。」
私(当塾代表)も同感です。合格がゴールではないことも事実ですが、受験勉強をする大きな目的が「行きたい学校にまずは合格すること」であることに間違いはないでしょう。指導にまったく耳を傾けず、自分のやりたい放題しておいて、挙げ句に結果が出ないのはどうしてだなどと言われてもね。知人や私はそうなる前に言うタイプ。その病院の院長と同じで「本気で受かろうという気が受験生本人になければ、どれだけ塾にいたところで受かるもんも受からんよ。ウチの方針が気に食わないのなら転塾してくださっても結構ですよ。」と。知人の隣にいるワガママな患者さんを見ながらそんなことを思った次第です。では、また。
2019/04/10
小耳に挟んだ関学と白陵のお話
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。今回はちょっと小耳に挟んだ話をします。
まずは関西学院中学部のお話から。関学中学部では入学式の前に「新入生オリエンテーションキャンプ」という行事があります。共同生活を通じてこれから関学生として学ぶ姿勢を身につけるのが目的。わざとぬかるみにしたグラウンドで泥んこになりながらやるラグビー、題して「メチャビー」(メチャクチャなラグビーの略)が有名ですね。ただのお遊びではありません。「自らがボールを持てばおそれずにゴールを目指す勇気と責任、仲間がボールを持てば泥をかぶってでも仲間を支える献身と団結を新入生に求めている」とされ、スクールモットー「Mastery for Service」の体現を目指す人間であれ、というメッセージが込められたプログラムなんですね。
このキャンプに何名かの新中3生が「キャンプリーダー」として参加するのですが、その決め方がまた関学らしい。クラス全員に「キャンプリーダーとして相応しいと思う5名を推薦せよ」と言うんです。自分がやりたかったら自分をその中に入れるのはアリですが、リーダーになれるかどうかは「得票数」次第。周りからの人望が厚くないと選ばれないのですね。で、ウチの卒塾生がリーダーに選ばれたことを知らせに来てくれました。成績も15位程度をキープしているとのこと。ウチの塾での学習姿勢が今でも役立っていると言ってくれたこと、講師冥利に尽きるというものです。これからも自分の力を信じて、関学ライフを思う存分楽しんでもらいたいと心から願っています。
次に白陵のお話。これはちょっと驚きですよ。なんとなんとあの(?)白陵が高校から私服OKにするらしいのです。(もし間違っていたらゴメンナサイ)中学の制服も新しくするんだとか。高校では新旧どちらの制服を着用してもいいということなので、公式の場では制服着用となるのかもしれませんが、昔の白陵を知る者としては隔世の感があります。失礼ながら、「白陵=とってもとっても厳しい学校」というイメージが強くあったもので。ちなみに、中学は制服、高校は私服というスタイルは甲陽学院と同じですね。
「令和」という新しい時代が来るのに合わせて、学校も新しいステージを目指すということなのだそう。ある民放の番組で白陵高校が取り上げられていましたが、自分がやりたいと思うことを自分で見つけていけるお子さんには、白陵の雰囲気はとてもいい学習環境なのではないかなと感じました。(番組でもやっていた「生物部」はいろんな意味で凄いですよね)反対に「指示待ち族」ではきついでしょうね。その前に厳しい入試を突破しないといけないので、そんな子は門前払いされるのでしょう。積極的に入試改革も行っており、白陵が求める生徒像が今後もっと明確になっていくのではないかと思います。
親御さんの古い情報や思い込みで学校を選ぶのは得策ではありません。お子さんにピッタリなはずの学校を見逃してしまうかもしれませんよ。たまにはこんなプチ情報もいいでしょ?では、また。
2019/04/01
【2020中学入試情報】関西学院中学部入試変更
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。昨年の夏休み中に発表された関西学院中の入試変更。その続報が学校より発表されましたのであらためてお知らせします。
【変更内容】2020年度入試(新小学6年生が受験)より
[日程](現行)1回(2日間)入試
→(変更後)A日程(1日)入試→2020年は1月18日(土)、B日程(1日)入試→2020年は1月21日(火)A日程とB日程との併願は可能
[募集](現行)男子約95名、女子約45名
→(変更後)A日程男女100名程度(男子約65名、女子約35名)、B日程男女40名程度(男子約25名、女子約15名)男女比率は概ね5:3とする。
[教科・時間・配点](現行)1日目 午前3教科筆記試験+午後面接 国45分100点、算50分100点、理45分100点
2日目 午前2教科筆記試験のみ 国45分100点、算50分100点
→(変更後)A日程 3教科筆記試験+面接 国60分200点、算60分200点、理45分100点8時30分集合、16時解散予定。
B日程 午前2教科筆記試験のみ 国60分200点、算60分200点 8時30分集合、12時解散予定。
A日程・B日程両方受験者には、B日程の筆記試験で国算合計点に10点の加算をする。
[試験問題]国算理いずれも、以前までの試験問題と出題内容、難易度、形式などに大きな変更はない。ただし、国語についてはA日程、B日程それぞれ、説明的文章と物語的文章(随筆含む)の2つのジャンルの文章から出題する。なお、国算ともに、A日程とB日程とで難易度に差はつけない。
[帰国生入試]男女合わせて若干名を募集する。事前面談が必要。A日程と同じ日に、国算と英語面接、保護者同伴面接を本校でおこなう。8時30分集合、13時解散予定。B日程との併願は可能。
[その他] その他の詳細については、2020 年度入試要項(2019 年 6月 22日販売)に記載する。
1つ1つの試験時間が長くなったことで、関学A日程の終了時刻がかなり遅くなります。この後に午後入試を受けるのは大変ですね。影響を受ける学校もあるのではないでしょうか。また、他校の入試スケジュールが今年通りだとすると、関学B日程の試験日は神戸女学院の翌日となり神戸大学附属中等と同日になります。関学B日程か神大附属のどちらかしか受けられません。言い方を変えれば、神大附属に関学が「殴り込み」をかけたということでしょうか。ダブル出願して初日受験した学校の結果で選ぶということも考えられますね。
もちろん、関学の動きを受けて他校も動くかもしれませんので、まだまだ何とも言えないところではあります。いずれにしても、来年この辺の学校を受験予定という方は目が離せないところでしょう。入試説明会等に足を運んで正確な情報を得ることが大事です。常にアンテナを張っておきましょう。では、また。
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2019/03/30
【2020中学入試情報】雲雀丘学園中入試変更
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。このブログでは中学受験に関する様々な情報もお伝えしていこうと思います。そんなところに、兵庫県宝塚市にある雲雀丘学園中が入試変更をするとの情報が入りましたのでご紹介しましょう。
1950年に学校法人雲雀丘学園創立。創立当初からサントリー創業者の鳥井家の支援を受けており、理事長は代々鳥井家(サントリー経営者)が務めているという、幼稚園から高校まである総合学園です。校地の隣には阪急電鉄の車庫が広がり、最寄り駅の阪急雲雀丘花屋敷駅には本校生徒専用の改札口まで設けられています。阪急とのつながりが太く、卒業生には宝塚歌劇に入団した人も多くいます。小学校は「阪急ドラマシリーズ」のロケ地としてもよく使われていました。
中学の案内パンフレットには、目指す学校像(教育目標)として「学園創立の精神である『孝道』、すなわち親孝行のできる生徒、生徒の人間力を育成します。」「高志・自律・努力の精神を涵養し、主体的にチャレンジする人材を育成します。」とあり、「人間教育の充実と学力の向上を両立させた関西を代表する一流の学園を目指します。」と記されています。根底に息づく「孝道」と「やってみなはれ」の精神。これは、初代理事長でありサントリー創業者の鳥井信治郎氏の言葉からきています。N○○の朝ドラ「マッ〇〇」にも氏をモデルにした登場人物がいましたね。
裕福な家庭のご子息・ご令嬢が多い学校というイメージがかつては強かったのですが、近年は「主体的・対話的で深い学び」を目指した授業改善を図り、大学入試改革と連動させて大学進学実績を向上させようとしています。2019年度の大学合格実績(卒業生313)は、前期発表時点で京大4(現4)阪大17(現12)神戸大13(現11)名大3(現3)関学43(現38)関大103(現87)同大46(現32)立大82(現60)等となっています。
2019年4月入学生より中学コース名を「一貫選抜コース」から「一貫探求コース」へと変更。また、2020年度から中学入試を変更することを発表しました。A日程午前で、従来の3科目入試に加え4教科入試を実施、どちらか高い方で判定する「アラカルト入試」を導入。4科目校が3科目を導入することが多いのですが、それとは反対の流れですね。また、B日程では「算国理」に加え「算国英」を実施、アラカルトではなくそれぞれ別に判定する入試となります。英語は筆記と面接試験が行われます。なお、A日程午後は従来通り2科目入試です。他には、英検取得者への優遇・成績優秀者への奨学金があります。
こういう施策が受験生や保護者にも受け入れられて、志願者が増えてきており合格も難しくなってきています。かつてのイメージではなく、学校説明会に実際に足を運んで情報を得ることも大切。「〇〇中?そんな学校考えてもいないわ。」てな態度ではいけませんよ。ご自身の古い情報で判断せず、積極的に情報を更新していきましょう。では、また。
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