2019/05/24
全国統一小学生テストの基礎知識
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。当塾は「全国統一小学生テスト」の公認会場として、11年連続でテストを実施しています。今回のブログでは、次の「全国統一小学生テスト」から変更される点をお話していきましょう。
まず、小4・5・6年生の算数でテスト時間が40分から50分に延長されます。テスト内容が変わるのかどうかはわかりません。公式サイトにもその辺りのことはまったく触れられていません。対策授業用の教材を見るとほとんど内容が同じになっていることもあり、テストの分量・内容もあまり変わらないものと思われます。
6月の試験範囲は「教科書の1学期内容+応用力を試す問題」となっています。教科書レベルから受験応用レベルまで広範囲にわたって出題されるため、バリバリ受験勉強している層なら9割以上得点する子もいますが、学校だけもしくは補習塾程度の層だとかなり苦戦する子もいます。大問1、2で時間切れなんてこともあるようなので、もう少し頑張ってもらうための「あと10分」ではないかなと思います。
もしかすると、上位層で差をつけるための難問を付加するかもしれません。ただ10分増えただけでは、上位層が今以上にギュッと詰まって差がつきにくくなることも考えられるので、最後に1、2問かなり難しい問題を入れてくることがあるかも。それが決勝大会進出のカギを握るような問題になるかもしれませんね。あくまでも推測ですが。
次に、1年生の試験時間が算数、国語ともに30分となります。試験範囲がせまいこともあり、これまで6月の1年生は15分という随分短いテストでした。しかし、テストに慣れていない子も多かったこともあり、ほとんど解けないままあっと言う間に15分経ってしまったというケースが続出。問題を読んでどこかで詰まるとそのまま止まってしまうことも少なくありません。そんな子には声をかけるのですが、そうこうしている内に15分なんてすぐに過ぎてしまいます。この時間変更も「もう少し頑張ってもらおう」という意図ではないかと思います。
いずれにしても、「全国統一小学生テスト」では、成績に対して神経質になり過ぎるのはホントに無意味なことです。このテストは学校の確認テストでもなければ、中学受験に特化したテストでもありません。お子さんの現有学力がどれ位で、今後どんな勉強をすればいいのかを考えてもらうのに適したテストです。そのことを理解していただき、積極的にテストをお受けになっていただきたいと思います。では、また。
2019/05/18
学校選び・通学のことも考えてる?
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。学校選びをする上で通学のことを忘れていると、お子さんがエライ目に遭うことも大いに考えられます。下手すると不登校の原因にも。そこで、今回は学校選びと通学についてお話していきます。
阪神間を東西に貫く鉄道は、北から阪急、JR、阪神の3wayがあります。それぞれが近接している区間もあれば、やや離れている区間もあります。同じような地域にある学校でも、所在地によっては最寄り駅からの徒歩時間が大きく異なることや、ターミナル駅からバス利用の方が便利というケースもあり得ます。気になる学校がある場合、一度ご自宅から学校までの通学をシミュレーションするのが賢明です。例えば乗車駅まで自転車に乗る場合、悪天候の場合はどうするか、代替の交通手段があるのか等は考えておきたいところです。
最近は学校が専用の通学バスを運行していることも多くなりました。自宅近くから学校まで直行できるというのは大きな魅力ですが、思いの外バス代が高かったり、遅刻する訳にはいかなかったり等のデメリットもあります。帰りの時刻も制約を受けます。バスの乗降場所が中途半端な場所だったりすると利用するかどうか悩むことも。ルートや料金、乗降場所等はきちんと確認する必要がありますね。一方、神戸大附属では「生徒数が減ってバス代が高くなり過ぎる」という理由で通学バスが廃止され、路線バスか徒歩になった例もあります。こういった点も要チェックですね。
学校が通学手段を制限していることもあるので要注意。学校への自転車通学に制約があったり、最寄駅からの通学ルートが決められていたりということがあります。関西学院中では、中学生の間は原則として阪急甲東園駅から徒歩で坂を上ることとされており、それを知らずに入学時に「JR西宮から学校の近くまでバス」と申告したところ「特に理由がない限り、阪急を利用して甲東園駅から徒歩で通学してください。」と言われた生徒がいたのだそう。ただし、高校生になるとその制約もなくなるようで、バスに乗っている姿もよく見かけます。
私(当塾代表)の灘中時代を思い返すと、阪急岡本駅からちょっと離れており、遅刻しそうになった者どうしでタクシーに乗り合いしたことも度々ありました。高校生にもなるともうどうでもよくなって、堂々と?遅刻して体育館前で体育教師に怒られてしまうのですが(笑)それでも、自分が本当に行きたくて入った学校なら、多少通学がしんどくてもどうにでもなるものです。通学が苦しくて中途退学してしまったなんてシャレになりません。何度も言うようですが「偏差値表」とにらめっこするだけの学校選びは厳に慎んでください。では、また。
2019/05/11
親も我慢しなさい!
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。巷では「宿題不要論」を唱える御仁が出てきているようですね。確かに、学力の均質化ができない公立小学校や中学校では、クラス内での学力レベルがあまりにもかけ離れているのに、全員に同じ質と量の宿題を課して完遂を求めるというのはどだい無理な話でしょう。
この手の議論では低学力の子に焦点が当たりがちですが、高学力の子が「何でこんなただの作業のような簡単な宿題に、時間を取られなくちゃいけないのか。」とぶちまけているのを、受験現場ではよく耳にします。中には中学受験に敵意も露わに、受験には役立たないようなドリル系をわざと大量に出し、提出しなければ居残りも辞さない(塾に行かさない)と強要するトンデモ先生もいるようですね。その点は「宿題不要論」にも一理あるかなぁと感じます。
ただし、中学受験における宿題=家庭学習は別の話。ところが、自分のアタマで何も考えず、他人の意見で耳障りのいいものをしたり顔で受け売りするだけの「残念」な親御は、早速これに飛びついて「そうそう、その通りだわ。合格させてくれるのが塾の役目じゃない。授業で全部理解させるのが仕事でしょ。なのに、なんで家に帰ってまで勉強しなくちゃいけないの?ウチの子が『宿題が多くて他のことが何もできない』って泣いてたこともあるのよ。可哀想で見てられなくて塾にクレーム入れたこともあるのよ。」そんなに家で何もさせたくないのなら、中学受験なんてさっさと止めりゃいいじゃん。公立中あるんだし。宿題もさせたくないのに、行きたい学校には行かせろよって…呆れて笑ってしまいますね。
中学受験を経験されていない(公立高受験は入れない)親御にこんなタイプが多いような気がするのですが、そんな親御の思考回路にあるのが「中学受験も高校入試のようなもんでしょ。大体、私立校にとって受験生は『お客』でしょ?だったら、公立高の滑り止めみたいにほぼ全員入れるはずじゃない。なんでこんなに難しい勉強をしなくちゃいけないわけ?塾代だって高過ぎるわよ。」ホント、中学受験が何たるかをまったくご存知ないのですね。中学受験の親御としては下の下のさらにもひとつ下です。中学受験の大衆化の一番悪い例でしょうね。
さらにもう一つ。自分の子どもが宿題を解けずにいること自体が我慢できない親御も多過ぎ。それこそ、学校の無意味?な宿題じゃないんだから、いつでもスラスラ解けるはずないんだってば。塾の宿題がスラスラっていうのはいいことじゃないよ。簡単過ぎるということで、そんなのいくら解いても学力つかないで時間の無駄。今の自分の学力より少し上つまり多少は歯ごたえのあるものをやって、それを乗り越えるからこそ学力も伸びるというもの。だから、簡単に親が教えたらダメ!親御が解いたって何の意味もないの!見ててイライラするなら見てなきゃいいの!親がそれくらい我慢できないで、子どもに何かを求める資格はないのです。中学受験の親をやるというのならこれくらい我慢してください。できないのなら中学受験はお止めなさい。では、また。
2019/05/05
中学受験生の親になるとは
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。10連休なんかそっちのけで勉強を頑張っている受験生もいたはず。志望校の文化祭等に出掛けて「やっぱりこの学校に行きたい」と思いも新たにした子も多かったのではないでしょうか。まだまだこれからいくつも壁に当たることでしょうが、その時にさっさと諦めてしまうかそれとも歯を食いしばってでもよじ登ろうとするか、意志の強さが試されるのです。「その学校に行きたいという気持ちが本物なのか」ということが。
受験生本人が「その学校に行きたい」と思うようになったきっかけは様々でしょう。やりたい部活がある、制服が気に入った、姉や兄が通っている等々。その内容に優劣をつけるつもりはありませんしその必要もないでしょう。お子さんが直感的に「ここならやれる」と感じたのならそう大きくハズすことはないですから。学校を直に訪ねれば、校風が合うかどうかくらいはおおよそわかります。
ただし、どこの学校に行こうともあくまでも学業が本筋。学年の真ん中くらいはキープしたいところ。そうであればその学校のいいところを充分に享受できます。反対に下位1/4辺りをウロチョロでは厳しい。入学後1~2年でほぼ「階層」は固まってしまい、下位生は劣等感にずっと苛まれることになります。メンタルの弱い今時のお子さんには、その状況を打破しようという気概を求めることなどまったく期待できません。自分を守ろうとするあまり、勉強しないのを学校やクラスメートや親のせいにして引きこもりになるケースも少なくありません。
「鶏口となるも牛後となる勿れ」この言葉の意味は決して軽くありません。しかし、最近の中学受験で「残念」をやらかす親御を見ていると、必ずと言っていいほど、端から「鶏」の学校を下に見て「牛」の学校に行かせようという姿勢なのです。「牛」に入ることがお子さんの幸せなんだと信じて疑わない。で、無事「牛」に入ると今度は「牛」の「口」になることをお子さんに求める。それが思い通りにならないとあからさまに白い眼を向ける。そしてお子さんが壊れていくのです。
これは、親御がお子さんを「自分の所有物」と見なしているから起こることです。言い換えれば、自分とは違う「人格」なんだという認識を持っていないということ。お子さんが合格することで親御自身も褒められたい。つまり親の「承認欲求」を満たすためのツールでしかない。これのどこが「お子さんの幸せ」なのでしょう。ハッキリ言って、中学受験の親としては下の下です。
令和の新時代、我が子に中学受験をさせようというすべての方に申し上げます。上のような気持ちが少しでもあるのなら、お子さんに中学受験させるのはお止めなさい。間違いなく親子ともども不幸になるだけですから。では、また。
2019/05/03
平成から令和に繋ぎたいこと
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。いよいよ元号が改められましたね。教育もその時代によっていろいろな変化があり、明治・大正・昭和・平成と年代によって「変化するもの」「変化しないもの」がありました。第二次世界大戦後に教育の機会が広げられ、平成の世を迎えて大きな教育改革が策定されて、更に令和へとバトンタッチされていくのです。
さあ、新しい時代を迎えて、どんな子どもたちがどんなことを「学ぶ」ことになるのか。平成生まれの親もどんどん増えていく中で、親世代がお子さんにどのような教育を施し、どのような成長を望むのか。せっかく新しい時代を迎えるのだから、「変化しないもの」はそのままに、令和ならではの「変化するもの」をしっかり考えていければいいですね。
時代の変化はすさまじいスピードで私達を追い立てます。技術革新によって教育の現場もデジタル化が進み、親の世代ではあり得なかった景色が広がっています。おそらくこの流れはさらに加速していくのでしょう。10年後いや5年後にはまた違った教育が登場しているかもしれませんし、中学受験の様子も大きく変わっているのかもしれません。しかし、「変化しないもの」は必ずあります。それは、良くも悪くも「お子さんに対する親御さんの影響」です。
一足先に「大学入試改革で新しい入試制度が始まる」ことになりましたが、奇しくもそれに合わせるかのように元号が変わります。「当塾では新しい入試にも万全の対策をしています」というような古臭いものが踏襲されることがないことを期待します。これからの子どもたちがこれからの時代を生き抜くのに必要な力を身に着けさせる。そのための具体的な指針を示した「教育改革」のはず。これまでのような、相変わらず場当たりの対症療法的な「受験勉強」が繰り返されてはダメなんです。「偏差値表の上位の学校でなければ行く価値がない」親の虚栄心を満たすための中学受験がこれ以上続いてはダメなんです。
平成の間に中学受験は「大衆化」したと言われます。では、次の令和ではどうか。中学受験で何を目指すのかという本質がいよいよ問われる時代なのではないかと考えます。平成から令和へと繋ぐべきことは何なのか考えてみた次第。では、また。