2021/09/18
灘校歴史探訪
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。今回は、我が母校である灘校についてその歴史をお話ししたいと思います。
昭和三(一九二八)年、東灘区の住吉川畔に一つの私立学校が産声をあげました。後に、全国でも指折りの超進学校となる灘中学校・高等学校です。灘五郷の酒造家で「菊正宗」「白鶴」の両嘉納家と「櫻正宗」の山邑家の篤志を受けて、旧制灘中学校が創立されました。甲陽学院も酒造家「白鹿」辰馬家が関わっています。阪神間男子校の両雄として、説明会の日程を調整する等永らく足並みを合わせていましたが、最近になってそれも崩れつつあるようです。校風も違うところが多々あるので、偏差値表を見て「灘が無理なら甲陽を受けよう」などと安易に考えるのは止めた方がいいですよ。
創立に当たっては、白鶴嘉納家の親戚で、当時東京高等師範学校(現・筑波大学)校長兼講道館館長であった嘉納治五郎先生が顧問として参画。先生は講道館柔道の創始者で「柔道の父」とも呼ばれており、先生の唱えた柔道の精神「精力善用」「自他共栄」が校是となりました。現在でも中学と高一で週一回柔道の授業がありますし、柔道場には先生直筆の校是が、額に入れられて掲げられています。「自他共栄」はわかりやすいですが、「精力善用」は誤解されがちなので念のため説明を。簡単に言えば「善いことに力を使え」ではなく「力は効率よく使え」という教えです。「柔よく剛を制す」につながる柔道らしい考え方といえばわかりやすいでしょうか。
実は、当時は神戸一中(現・神戸高校)や神戸二中(現・兵庫高校)等に入れなかった者が入学する学校でした。というより、神戸一中や二中に入れないご子息を持つ裕福なご家庭のために学校が創られたとも。今の姿からは想像もできませんが、今で言うところの「公立高の滑り止め」ですね。そのためか、当初から官公立中学(現在の国公立高校)に「追いつけ、追い越せ」ということを考えていたそうです。もしかすると、その辺に超進学校に変貌していく「芽」があったのかもしれませんね。
そういう経緯もあり、第二次世界大戦前は柔道部や野球部などの活躍の方が有名だったそうです。戦後の学制改革で、多くの旧制中学が新制高校への移行に四苦八苦していたときに、いち早く旧制中学の延長という考えに基づいた「中高六箇年一貫教育」を実施。当初は「泥縄式の教育だ」などという批判も受けたそうですが、この「中高六箇年一貫教育」が奏功して進学実績が上向きになり、昭和四十年代には都立日比谷高校を抜き、国立・私立高校で初めて東大合格者数トップに立ったのです。その後、阪神間だけでなく全国でも屈指の超進学校として、学力自慢の数多の受験生を集めるようになっていったのは周知の通りです。
以上、灘校の歴史についてざっとご紹介しました。何かお知りになりたいことがあればお尋ねください。では、また。
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2021/08/14
たかが「自由研究」されど…
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。暦上は「立秋」を過ぎ、時候の挨拶も「残暑」。例年であれば「『残暑』どころかまだまだ猛暑が続きますね。」というところが、なんとしたことか、「秋雨(⁉)前線」が日本列島上に停滞して豪雨を降らせています。これ以上大きな被害が起こらないことを切に願うばかりです。
高校野球も連日の雨天中止で、日程の消化が危ぶまれていますね。始球式を行ったのは甲陽学院の元野球部。「地元の西宮市で」「野球部の歴史もあり」「医療関係に進学した(コロナを意識したもの)」という人選…そりゃ、甲陽しかないわなぁ。投球はストライクとはいかなかったようですが、一人は阪大医学部(「白い巨塔」のモデル?)とか。野球やりながらで、それはすげぇわ。
さて、ぼちぼち学校の宿題も気になる頃。大抵の学校で「自由研究」なる宿題が出されていることでしょう。以前、講習に参加していたお子さんと「自由研究」の話題で盛り上がり、過去の「自由研究」を持って来ることに。それを掲示していたところ、何人かの塾生ががそれをしげしげと眺めていたので「これ見てどう思う?」と聞くと、遠慮気味に「絵がすごく上手で…」というように当たり障りのない「褒め言葉」を言い出しました。
「そんなんじゃなくて、本当に思ったことを言えばいいんだよ。ここはこうすればもっといいのに、というような意見でも構わないんだよ。」それを聞いた塾生たち、はじめこそ戸惑っていましたが、やがて「ここがわかりにくいからもっと説明が欲しい」「ここは写真があった方がもっとわかりやすいと思う」と自分の意見を話し出すように。「では、その意見を本人に伝えたいから、今の意見を紙に書き出してみて。」そうしてまとめたものを本人に示してあげると、当初は「何か言われる」ことにやや不満顔だったものの、内容を読み進めるうちに「へぇ、そうすれば確かに良くなるかも。今年の『自由研究』でやってみる。」と笑顔になりました。
その様子を見ていた塾生たちに「アンタたちも過去の『自由研究』持ってきてお互いに見せ合おうよ。自慢し合おうよ。」と振ったところ、次の日から続々と「自由研究」が集まりました。驚くことに、それらの中には「青少年科学館賞」とか「消費者教育センター賞」とかいうリボンが付けられたものも。内容も実に多彩で、大人が読んでも「へぇ、それは知らなんだ。」「よくこれだけの人にアンケートしたねぇ。」と感心するものも少なくありません。なるほど、これだけのものが生み出せるのなら、他人の「自由研究」にまともな意見も出せるはずだなぁ、と納得できました。
「でも、『自由研究』を親にやってもらってる子もいるよね。」「いるいる。普段あれだけ雑な性格なのに『自由研究』だけはやたら細かくて、絵なんかすっごい上手に色が塗ってあったり…絶対アンタ書いてないでしょ?って。まさか、『自由研究』の『自由』って親がやっても『自由』って意味じゃないよね。」最近では「自由研究」を教える教室なんてのもあるようですが、そうやって大人が先回りして「お膳立て」することは、かえって子どもの「自分で考える自由」を奪っているのではないでしょうか。
そういう親御が、中学受験に関わるときも同じことを繰り返すのでしょう。我が子が「思い切って間違えられる自由」を奪い、「自分で考える自由」を奪い、「正解通りに型にはまる」ことを求めるのでしょう。では、お子さんにとって「自由」とは一体何なのでしょうか?ここでもまた、お子さんに対する親の考え方が試されているように感じます。今回の件でウチの塾生たちは実に「個性的」な一面を見せてくれましたが、アナタのお子さんは如何でしょうか。たかが「自由研究」されど…では、また。
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2021/07/24
「夙川中はお得」言ってて恥ずかしくないの?
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。夙川学院が須磨学園の傘下に入り、夙川中高として再スタートしました。夙川中のイベントにも受験を考えているお子さんとその保護者が多く集まり、説明会でも一部の熱心?な保護者が色々と質問をしていたようです。「須磨学園中受験後に、夙川中(の午後入試)へ移動するのに、(バス等の)交通手段を用意してくれないか。」という質問もその時のものだそうです。それを聞いたときは「どんだけムチャ言うねん。アホちゃうか?」と思いましたが、まさかこういう形で学校側が応えるとは…詳しくはお調べになってくださいな。
それ以外の質問の内容も聞きましたが、学校の方針についての質問と言うより「学校が自分の子に何をしてくれるのか」とか「我が子だけを特別扱いしてくれ」とか、上から目線としか言いようのない発言も多いようですね。何かとんでもない勘違いをしている「残念な親」なのでしょうが、スーパーで大根を買うような感覚で「自分がこの学校を選んでやるって言ってるんだから、こちらの望むものを保証するのは当然でしょ。」とでも思っているのでしょうね。
塾でも同じですが、こういうのに限ってお子さんの学力も「残念」なんですよね。むしろ、それが薄々わかっているので「塾や学校で何とかしてくれ」なんでしょ?でも、プライドだけは一人前で「ウチの子頭が悪くて」なんて口が裂けても言えないもんだから、それを隠すかのようにタカビーな態度を取るんですよね。こう言っては何ですが、こちらはすべてお見通し。ホントにカッコ悪いだけですから止めておいた方がいいですよ。
そういう親御の中でよく言われているセリフが「夙川中は今入ればお得」というもの。須磨学園中はレベルが高くてとても入れないが、夙川中は今の内なら入りやすい。それでも須磨学園と同じ教育が受けられるのだから「お得」だと。ん?教育?違うでしょ。本当に興味があるのは「須磨学園と同じ大学実績になる」ということだけでしょ。夙川に入れば国公立大は当然だとでも思っているんでしょ。子どもがそれだけの勉強をしなきゃいけないんだよ?本当にわかってるの?大学入試は全国的な競争だよ。中学入試で後塵を拝した須磨学園の生徒とも競争だよ。須磨学園の子と同じ事やっててどうやって勝てるの?ちょっと考えりゃわかることやん?わからんっていうのならやっぱり「残念な親」だよね。
塾選びも同じって書いたけど、そうでしょ?「灘中〇〇名合格」の塾に入ったら、お子さんが必ず灘中に入れるの?「開成中〇百人合格」の塾に入ったら、お子さんが必ず開成中に入れるの?少なくともそれらの塾の最上位に入る必要があるよね。その競争だけでもどれだけ熾烈なものか。なのに、最上位だからと言って必ず灘や開成に合格する訳でもない。落ちた人間には発言権もない世界だから、そんな怨嗟の声なんて聞こえないのだけどね。
「夙川中はお得」なんて言ってる親御に一言。これからは「思考力、表現力、協働力」なんて言われているのに、結局は親御の古臭い価値観に我が子がハマることを期待してるだけじゃないの?そうでなければこんなセリフは出てこないはず。要は「濡れ手で粟」のごとく、楽して良い大学に行かせたいということなんでしょ?バカなこと言っているヒマがあるのなら、もう少し我が子まともな学力を身につけさせることを考えましょうよ。悪いことは言いません。「夙川中はお得」と思っている親御さん、「可愛い子には旅をさせよ」です。では、また。
2021/05/29
中高一貫校の「高校募集」は絶滅するのか⑦
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。今回の指導要領改訂と首都圏にある複数の公立中高一貫校が高校募集を停止すると発表した件との関連をもう一度おさらいしておきたいと思います。ただし、主に首都圏や阪神間等都市部のお話しであることをお断りしておきます。
1、経済界からの「グローバル人材の育成」という要請を受けて、その方向で教育改革が推進された。
2、長期衰退傾向にあった上位公立高にも改革の風が吹き、中高一貫制度に復権の道筋を見出そうと「公立中高一貫校」が誕生することとなった。
3、「公立中高一貫校」の教育方針に「グローバル」の文字が入るのは時代の流れ。授業料が安いだけでなく「グローバル教育」が「錦の御旗」となる。
4、人材の多様性という観点から「適性検査」で入学者を選抜することとなり、思考力・判断力・表現力を問うものとすることとされた。
5、授業料の安さに新しい教育への期待が相まって、公立中高一貫校も「中学受験の一ジャンル」として認知されるまでの人気となる。少なくとも首都圏では今後「私立はともかく、取り敢えず公立中高一貫校は受けておこう」という流れが大きくなると考えられている。
6、中学入学生のレベルが上がるにつれて、高校入学生との調整に苦労する学校が増えてきたものと推測される。このことが公立中高一貫校の高校募集停止に繋がっているものと思われる。
7、それに歩調を合わせるように新指導要領が始まり、小4・小5の内容が重くなり、小6が比較的軽くなった。「小6で英語の負担があるから」という声もあるが、ならば英語開始学年の小5はなぜ軽くならないのか?少なくとも英語が原因という訳ではなさそうだ。
8、首都圏の教育関係者の話をまとめると「公立中高一貫校に入るにも相応の学力が必要となってきている。高校募集が無いとなると小学校での学習がより重要になるのは間違いない。しかし、あくまでも公立校である以上、国も建前としては『入学するのに塾に通うのが前提』という訳にはいかない。小6に重い内容を置き過ぎると『大事な勉強が遅すぎて、塾通いする子と勝負にならない』という無用な批判を受けないとも限らない。『大事な内容は時間をかけてみな平等にきちんとやっていますよ』というアリバイが欲しい。また、小6内容が軽くなれば公立中高一貫校を受験する際の負担も減らせる。現実的には、小5終了時点で公立中高一貫校に行けるレベルかどうかが判別できるようになるのではないか。」
授業料が安いというだけで「アンタは公立に行きなさい」では沽券に拘わるという親御でも、「これからの時代に沿った教育が受けられる」「私立の入試とは違う選抜がなされる」だったら受けさせてもいい!となったことでしょう。しかし、実際に「適性検査」が行われて久しい今、求められる「思考力・判断力・表現力」がそうそう生易しいものではないことがわかってきたことと思います。「『知識・技能』の代わりに『思考力・判断力・表現力』を問う」ではなく、「『知識・技能』だけでなく、さらに『思考力・判断力・表現力』も問う」とされているのです。この違いを理解できる読解力はありますよね?
「知識・技能」の習得が悪いのではなくて、「知識・技能」の習得にも四苦八苦で何とか「小手先の受験テクニック」で乗り切ろうとすることが諸悪の根源。古い体質を引きずった大手学習塾の小賢しい知恵に頼る親子が増え過ぎたことが問題なのです。毎週否応なく進むカリキュラムに追いまくられ、テストでは「クラス分け」という恐怖に支配され、模試では志望校の合格判定が気になって仕方がない…しかし、お子さんにとって一番のストレスは「点だ、クラスだ、合格判定だ」と鬼の顔で迫る「残念な親」です。
私立校だと市場原理も働くので、選ばなければそんなレベルでも受け入れてくれるところもあるでしょう。しかし、公立中高一貫校にはそんな「忖度」を期待してはいけません。「新指導要領」「高校募集停止」ふ~ん、あ、そうなの…では呑気過ぎます。学力格差は親御の意識格差。無関心も困りますが、毎週の塾のテストに一喜一憂というのも同じくらい愚かなこと。お子さん、本当に「学力」がついてきていますか?私立にせよ公立にせよ「中学受験」を志すのであれば、そこが最も大事なところであることを忘れてはいけませんよ。では、また。
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2021/05/09
中高一貫校の「高校募集」は絶滅するのか⑥
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。新指導要領と公立中高一貫校の話に戻ります。
文部科学省のホームページには以下のように掲載されています。
・「学習指導要領」とは、全国どこの学校でも一定の水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準です。およそ10年に1度、改訂しています。子供たちの教科書や時間割は、これを基に作られています。
・学習指導要領においては、教育課程全般にわたる配慮事項や授業時数の取扱いなどを「総則」で定めるとともに、各教科等のそれぞれについて、目標、内容、内容の取扱いを大まかに規定しています。
・学校は、社会と切り離された存在ではなく、社会の中にあります。グローバル化や急速な情報化、技術革新など、社会の変化を見据えて、子供たちがこれから生きていくために必要な資質や能力について見直しを行っています。
経済界からの「グローバル人材の育成」という要請が、ようやく新指導要領にも反映されたということ。公立中高一貫校が先んじて掲げていた教育理念に、あらためて国が「お墨付き」を与えたものと言えるでしょう。まあ、経済界からの突き上げがあったとはいえ、あくまでも国が主体となっている教育改革の流れから誕生したのが公立中高一貫校なので、当たり前と言えば当たり前ですが。
現場にいる人間ならほとんどが実感していることだと思いますが、間違いなく日本の子どもの学力は長期低下傾向にあります。毎年毎年同じ内容を教えているとそれがよくわかります。10年どころか5年いや3年も経てば、それまで通じていた「言葉」が通じなくなるのです。受験だとほとんど同世代間での競争で済むので、全体が下がっても相対的に上位であれば勝ち抜けるのが道理。ところが社会に出ると集団が一気に広がります。ましてや「グローバル」なんて言われた日にゃ、世界にどれだけの敵がいるのやら…
それなのに「メジャーリーガーの28%が米国以外の出身で、その出身国を見るとドミニカ共和国で最多で約35%である」という文から正しい円グラフを選ぶという、中堅の中学受験生でも解けそうな問題の正答率平均が中学生で12%、高校生で28%という世も末の結果。「ゆとり教育」では「クラスの全員が100点を取るようにする」ことを目標としていたらしいのですが、どうやら「クラスの全員が20点~30点くらいになるようにする」の間違いだったようです。いったんこんな流れができてしまうと、慌てて指導要領を修正しても簡単には変わりません。
かつて「カリキュラムが過密で落ちこぼれが生じるから」という理由で「ゆとり」の方向に改訂された指導要領。それをもう一度逆方向に戻すというのだから、「落ちこぼれ」が出るのは織り込み済みと考えてよいでしょう。世界相手に日本(企業)に富をもたらしてくれる優秀な人材が必要数育てられれば、その他は国内で消費をしてやがて死んでいくだけの「民草」でも良いのです。役に立たない人間が増えても、大部分はAIが代わりにやってくれますから大丈夫ですよ。個人のことはさておき、国家全体で見れば。
現在の子どもの平均的な学力や先生の職場環境、指導力を考えると、今度の指導要領はかなり手強いものと言わざるを得ません。現行でさえ教科書内容を1年で終われない例が少なくないのに、「現行教科の時間数を変えずに、外国語(英語)の時間がそのまま上乗せされる」これだけでも本当にできるの?と思わざるを得ません。ウソでも終わらせるには、言葉は悪いですが今まで以上に「下は振り切る」しかないでしょうね。
もちろん、これくらいではびくともしない上位層もいます。そういう子にしてみれば、重要単元を小6まで待たずにさっさと小4や小5でやってしまいたいことでしょう。公立中高一貫校への挑戦権が欲しいなら、やはりそれくらいのレベルは越えてほしいところ。新指導要領と公立中高一貫校の教育に共通項があることや主に首都圏で公立中高一貫校の人気が高まっていることから、新指導要領が公立中高一貫校を目指す上での一つの目安を提示していると考えても「ハズレ」ではないでしょう。
首都圏では公立中高一貫校の人気が私立を大いに刺激しています。適性検査型入試を行って、公立中高一貫校からの「おこぼれ」を狙う動きも顕著になってきました。関西でも「大阪の府立高校入試で大きな動きがありそうだ」というウワサが。大阪私立も穏やかではありませんね。では、また。