2020/01/15
灘中学受験Academia鉄道研究部?①
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。今回のブログは今までと毛色がまったく違いますので予めご了承ください(笑)もしかすると、このブログをご覧の方で同じ趣味をお持ちの御仁も多いのでは?まったく興味がない方すみません。先に謝っておきます。
今回は、雲雀丘学園の「ある意味一番の見どころ」ともいうべき場所を少し、あくまでも控えめにこっそりとお話させてください。入試とは少し離れたことになるかもしれません。少しではなくとっても?かも…実は私(当塾教室長)がここ雲雀丘学園の構内で一目も二目も置いていて、塾対象説明会の後、必ずこっそりと訪れる「聖地」があるのです。そこには・・。
な、な、なんと蒸気機関車が構内に保存されているのです。鉄道ファンにはたまらない列車の方向板やヘッドマーク等も。その中で私が涙を流さんばかりだったのが、今ではほとんど見られなくなった「腕木式信号機」が保存されていること。それも2基!蒸気機関車は勿論レール上に固定されていて、そのレールの下には当たり前のように砂利も。そう、その「聖地」は紛れもなく「雲雀丘学園『駅』」の空間そのものなのです。
そこには生徒たちが靴を履き替える場所もあり、それらがまるで生徒たちを見守っているかのようです。何を隠そう「鉄オタ」の私は各中学校の文化祭にお邪魔したときには、必ず(!)鉄道研究部のブースを覗かせてもらっています。そのことについては当塾代表の許可が得られれば書かせてもらいますが、いやー、本物の蒸気機関車には感動すら覚えます。私は子どもの部屋をまず〇〇レールで埋め尽くし、更に○トウの模型にも子どもではなく「私が」手を出して…
おっと、この鉄オタの話はまたにして、このような「本物」をしかも学校に展示するとは!びっくりするとともに、やはり「やってみなはれ」の精神、そして「本物」を見ることによって生み出されるモノについて思いを馳せました。隣には阪急電車の車庫があり、車庫にゆっくり出入りする様々な形式の車両が間近で見られます。そして、南にはJRの列車が疾走していく姿が…とうとう、このブログで「女鉄」であることをカミングアウトしてしまいました。鉄研(鉄道研究部の略)が盛んな学校も結構あります。これからも時折「鉄ネタ」やらしてもらいます!では、また。
2020/01/06
「ぼくも12歳」②
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。中学受験が終了すると中学生として初めての夏休み。考えてみれば中学受験しようがしまいが、小学生時代とは全く違った世界で迎える初めての夏休みですね。新しく始まる中学生生活。それは「次元の座標軸」が異なる世界。その中での夏休みです。中学入学後初めての「先輩」、初めての部活、「中間試験」に「期末試験」、そして「順位」「成績」。さあ、いかがでしたか、新中一のみんな。一学期、宿題は多いし、電車通学で疲れるし、かばんは重いし、何よりもクラスでの順位が気になるし、こんなことなら近くの中学校に行った方が良かったかな?
親御さんも心配ですよね。せっかくつかんだ新しい環境に馴染んでくれるのか。中学受験の大手塾での経験が、ここで影を落とすこともあります。「学校で何位なの?」一学期の間は新中一生なのでものすごく緊張して「頑張る」子どもたちですが、「なんだ、こんな調子でやれば良いんだ。」と軽く考えると、夏休みに入ると途端にリズムが崩れることもあります。緊張の糸が切れてホッとして、それと同時に学習のリズムも崩れてしまいます。でも、そりゃ当たり前ですよね。大手進学受験塾で散々輪切りにされて「評価」され、無意識の内にも「テスト結果」という判断基準でしか自分の立ち位置を見えなくされていたのですから。学校生活は「テスト結果」がすべてではない、とアタマではわかっていても、いざ実際に「結果」を見ると…
個人差はあれど、なんせ多感な思春期の入り口に差し掛かっている新中一。「まだまだ子どもでしょ?」さあ、果たしてそうでしょうか。「ぼくは12歳」のあの少年も、様々な悶々とした気持ちをたぶん抱えていたことでしょう、みんなと同じように。よく「一体何を考えているのか…中学生になったら何も話してくれない。」と自分のお子さんの変わりようを嘆く(?)親御さんもいらっしゃいますが、思い返してください。あなたが中学生だった頃のことを。何でもベラベラ親に相談しましたか?「ええ、私は何でも話したわ。」と言われる方、果たしてそうでしょうか。自分自身の中の「得体の知れなさ」と対面するのがこの「12歳」の頃なのかもしれません、あの少年のように。
少年の死が学校中を駆け巡った朝、いつもの昇降口の様子が違っていました、ざわざわしていて、泣き出している子もいて。そのニュースを友達から聞かされて、少年が在籍していた1年H組の教室に友達を気遣って行こうとしたのですが、友人が一言。「1Hの教室は固くドアが閉まってるよ!」その学校は旧校舎と新校舎に分かれていて、私達中一はボロい木造の旧校舎に教室がありました。「トイレの花子さん」が出てきそうなトイレもありましたね。その古い木造校舎の二階の一番奥まったところに1Hの教室があったのです。
朝礼があり、その少年のことが知らされました。夏休み直前だったのでとても暑かったことだけ覚えています。そして帰路、小学校時代に何度もお邪魔した少年の家のそばの道を、私達は重い気持ちで帰路についたのです。校区により、その少年と違う小学校の子たちもたくさんいたのですが、何にしてもその少年の死は、まだこれからの明るい陽射しの中での眩しさに弾けてしまうような危うさを持ったはずの私達に計り知れない「影」を落としたのでした。少年の葬儀で同級生が泣きながら読み上げた弔辞の始まり、それは「少年は星になった…」『星の王子さま』を愛読していたその少年に捧げるまず一言でした。「将来なりたいものは弁護士。理由は人を助けたいから。」小学生の卒業アルバムにそう書かれていた少年の未来は「星」になったのでしょうか…今回はここまで。では、また。
2019/12/28
「ぼくも12歳」①
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。夏期講習のある日のこと、私(当塾教室長)は「理科の観察の為」とヘリクツをつけて或る塾生(小6の受験生ですよ!)と蝉を捕まえに、塾の休み時間に教室を脱走?しました!外はやはり蝉の声。そう、あの日もこんな日だったかな。汗を拭きながら見上げた夏…こんな日に、ふと私の胸をよぎる一人の少年がいます。その少年はもうこの世の人ではありません。永遠に「ぼくは12歳」なのですから。「ぼくは12歳」という言葉から「あ!」と思い当たる方、このブログをお読みの中にいらっしゃいますか?実は私は、その少年と同じ小学校で、机を並べていた同級生なのです。そしてその少年の「死」を目の当たりにもしました。今回から数回にわたって少年のことを書いてみます。
その少年は大変な読書好きで、同じく読書好きの私とは本の話をよくしていました。小学3、4年の頃です。『エミールと探偵たち』という本を紹介された他に、たくさんの本を紹介され、私と友達はその少年の家に何回も本を借りに行きました。少年の家にはそれはそれはたくさんの本があり、少年のお父さんがいつも優しく「いらっしゃい」とヤンチャな私達を迎えてくれたのを覚えています。そのお父さんが有名な「作家」だということを知ったのは、その少し後のことでした。その少年は本が好きなだけではなく、当時の流行のテレビドラマなどにも敏感で、ショーケンや「ルパン三世」の真似などもするオチャラケた面もあり明るいキャラでした。なので「その一報」を聞いたときには、信じられませんでした。そしてその「場所」が、私の家のすぐそばの団地だとは。
私と一緒に蝉捕りに行った塾生、見た目は「虫なんか怖くて触れません」的なのですが、蝉の抜け殻を見つけては塀によじ登ったり、生きた蝉を指に止まらせてみたりと随分楽しそう。勉強もこれくらい積極的にやれよ…という言葉を飲み込んでその様子を眺めていました。「人は見かけによらぬもの」だということをあらためて思い出したこの夏休み。その少年のことを思い出させたのは、見つけた蝉の抜け殻だったのでしょうか。そういえばこの塾生「ぼくも12歳」…もう少しこの少年のことを話させてください。では、また。
2019/12/18
【学校情報2020】新しい清風は何処に吹く③
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。清風中学校のことについて、もう少し話を続けさせます。
この清風という学校、勉強だけでなくクラブ活動も「核心に触れるまで」徹底的なんです。先にご紹介した新体操部を始めとして、ヨット部、ボート部、バレーボール部など、何気に「世界選手権出場決定」「全国高校総体にて団体11位」「全国高校選抜大会ベスト16」などという戦績が目白押し。運動部だけではありません。生物部は「バイオサミットin鶴岡優秀賞」「ecoー1グランプリ環境大臣賞受賞」、電気部は「アイデアロボットコンテスト全国中学生大会出場」。そして、鉄女である私(当塾教室長)が最もびっくりなのが鉄道研究部です。模型レイアウトのデザインの素晴らしさは、「こんな風に実際の鉄道が引けたらどんなにいいだろう!」と都市設計の勉強に駆り立たせるものなのです。とにかく部活も「ハンパねえ!」
いろいろと書いてきましたが、私が最もびっくりしたのはこの学園の理事長の平岡先生です。いつも説明会の時に、塾のセンセイ達に「法話」のようなお言葉を述べられるのですが、それを拝聴したくて私はいつも塾長に願い出て、毎年ここの塾対象説明会に出席させてもらっているのです。今年は、私が学生時代にズブズブとはまり込んで、今の私の基盤を作り上げたと言っても過言ではない哲学者「カント」の名と、その書「純粋理性批判」を取り上げられたことに打ちのめされました。「最後に残るのは宗教でしょう。」という理事長の言葉がまさにそれです。後にこのカントの私的研究そのものが、ミッシエル・フーコーによってさらに打ちのめされるのですが。
西洋の神概念の話が出るかと思ったら、理事長先生が個人的な親交もあるダライ・ラマ法王が学校に何度か訪問されるなど、この学園の懐の深さは何処からくるものなのでしょう。宗教とは何か、宗教教育を超えて見えてくるものもあるのですね。カントの墓に刻まれている「星空は我が頭上に、道徳律は我がうちに」のように現代の星空の下更なる大きな「手」によって、また清風学園の生徒たちの「手」によって、またコンピューター「京」開発者の指導の下で、さらに大きな「人間コンピューター」の真の授業が出来上がるのでありましょう。このお話はここまでにしましょう。では、また。
2019/12/10
【学校情報2020】新しい清風は何処に吹く②
神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。「時代」は、いえ時の流れは確実に、受験生も受験界も容赦なく何処かへと押しやっていくのでしょう。「驕れる者もなんとやら」でしょうか、お釈迦様。さて、それでは清風学園の話題を続けます。
大阪の男子校で仏教の流れを汲む学校ということで、私(当塾教室長)は勝手に「バリバリのお堅い、しかも伝統を重んじる男臭い学校」なのだろうと考えていました。しかし、特にこの数年は、良い意味でその思い込みを見事に裏切ってくれています。先にご紹介した「国際六か年コース」では、理Ⅲプレミアムクラスの通常授業に加え、日本文化を学ぶプログラムもあります。それは、茶道・座禅・能などを学ぶというもの。能楽では実際に能楽堂の舞台の上での体験もあるようで、大学時代「能楽資料センター」なるものに足を運んで研究したことのある私にとってはびっくりのプログラムです。
もちろん留学プログラムもありますが、これがなんと19カ月間も!留学先で清風独自のテストを実施し、不合格者は帰国させるという徹底ぶり。まるで「現代版遣唐使」です。帰国後は高校2年理Ⅲクラスで、ネイティブの教師を担任に加え大学を目指すという、なかなか力の入ったコースです。単に「留学してきました」では済まさない、ということのようです。
一般の授業でも、コンピューターの「内部」を知るということで、教室を巨大な回路に見立てて、CPUがどのような仕組みで計算を行うのか、生徒たちが身体を使って覚える「人間コンピューター」という授業があります。「原理を知り、本質に迫る」勉強の仕方です。平岡校長が「自然栽培の稲は根が強く、栄養に満ちた穂を実らせる。教育も同じなんです。」と説明会でおっしゃってましたが、なるほど清風学園の「魂」はここからきているのですね.学食の食材にもこだわりを持たれているのもそこからきているのだな、とわかりました。
私は清風の先生方が毎年出されている、前年度の京大数学・英語の入試問題研究「イプシロン」「ネクサス」を読んで、その解答を導きだすプロセス・出題意図の研究・解説に度肝をぬかれるばかりでしたが、これも「仏教書の原典の研究」という視点で考えると、それもなるほどと思えてきます。「『自利利他』の精神の志で核心に触れるまで努力させる」とも平岡校長はおっしゃっています。
そして、私が何よりスゴイ!と思ったのが、チベット仏教最高指導者であられるダライ・ラマ法王が何度か清風を訪問されているということ。平岡理事長と親交があるのだそうですが、法王と触れ合っている生徒の写真を見るにつけても、ただただ羨ましい限り。その辺の話は次回にしましょう。では、また。